INFORMATION

インフォメーション Information

2018/05/14

トップチーム

5/13 第23回神奈川県サッカー選手権大会 決勝戦 マッチレポート

第23回神奈川県サッカー選手権大会 決勝戦 マッチレポート
5月13日(日)
VS SC相模原 13:00k/o~
スタジアム:ニッパツ三ツ沢球技場

□マッチレポート
天皇杯の切符を懸けてJ3クラブ・相模原と8年ぶりに決勝で顔を合わせた。先発には負傷から復帰した小澤 光がボランチの位置に入り、N0,17河野諒祐が右SBに入り、No,9大泉和也が一つ前のポジションに配され、2トップが縦関係の[4-4-1-1]のシステムを組んだ。

試合の序盤は苦しい展開となる。相模原がプレスに行くところとリリートする守備で奪ってからカウンター気味に攻撃のスイッチを入れていった。それでも最も危険なバイタルエリアなどのスペースを遮断して、効果的なパスを入れられるようなシーンを迎えることはなかった。

もちろんボールを握って主導権をとりたいY.S.C.C.。それでも我慢してチャンスをうかがったことで、「本当に素晴らしい」(樋口靖洋監督)ゴールが生まれる。32分、自陣から少ないタッチ数で組み立てると“トントントン”と右サイドから左サイドに展開。駆け上がったNo,25西山峻太のドンピシャクロスにNo,11北脇健慈が頭で流し込んで鮮やかな先制点を奪って見せた。そして一瞬のスキを逃さないY.S.C.C.は再び背番号25のフィードに3バックの脇へ走り込んだ北脇がループシュートで一気にリードを2点に広げた。

そして後半に入っても攻勢を強めるY.S.C.C.。オフサイドの判定にはなったが、左サイドのクロスの流れからNo,15奥田晃也が詰めたシーンや、背番号11の強烈ミドルがポストを叩くなどダメ押しとなる3点、4点と奪える好機をモノにできない。するとパワープレーで応戦してくる相模原は長身のジョン・ガブリエルに当てながら強襲。それでもNo,2西山雄介、No,3宗近慧の両CBが踏ん張れば、小澤がセカンドボールを回収し、球際の強さを発揮していった。その中で83分にCKから失点を許すも最後まで体を張って戦い続けたことで、このまま試合終了のホイッスル。

これでY.S.C.C.は2年連続8回目の天皇杯出場が決定。様々なことに目を向ければ課題もあるゲームだったが、トーナメント戦は結果が全てでありリーグ前節・藤枝戦の反省を生かした素晴らしいゲームだった。

天皇杯は5月27日に開幕。1回戦の相手は埼玉県代表・東京国際大学FC。Shonan BMW スタジアム平塚にて名門浦和レッズへの挑戦権を懸けて戦う。

□樋口 靖洋監督
――天皇杯本戦の切符を手にしました。
そうですね。でも目標はJ1チームをやっつけることです。ただ、しっかり先を見すぎず、目の前の試合に勝つことに専念したいです。

――90分を振り返ると。
改めて相模原はチーム力が上がっている。これからたぶんもっと良くなると思う。このチーム強いなと。それを感じたけれども、今日の試合に関して言えば90分で決着をつけることができたというのは、われわれに相手に対して対応する部分もしっかりできた。例えば9番対策もできていたし、あるいは相手の3バックの間を使うのか裏を使うのかというところは、ちょっと良くない時間はあったけど、最後の使い分けをしようという意図が、この前の藤枝戦よりは見られたなと思います。

――立ち上がりは少し苦しんだ?
ボールは回されてはいたけど、それを全部受ける感じでもなかった。向こうが回しているけど効果的なパスはないと。そうすると9番に入れてくる。それに対しては(西山)雄介は餌に食い付くように「ご馳走さま!」という感じで楽しそうに競っていた(笑)。彼の特徴を生かして、9番に収められることもあったけど、そのときは囲むし、競り勝つこともあった。あんまり彼に対しての対応に関しても前半は問題なかったかなと思います。

――先制点は素晴らしい形でした。
本当に素晴らしい。後ろから流していって最後“トントン”とリズム変えてスパンとサイドを変えていって、ベンチで「最後はクロスボール次第だ」と言っていたらピンポイントで合って(笑)、本当に良いゴールでしたね。あれはしっかり、間、間を崩したし2得点目も相手のミスがあったけど3バックの後ろの脇を狙うこともできた。上手くその辺は得点になりました。

――リーグ前節・藤枝戦は自分たちの良さも出せませんでした。この相模原戦に向けて修正した部分はありますか?
今週の練習はすごく強度が高かった。それをずっと強調していた。藤枝戦の次の日の(トレーニングマッチ・)大宮戦がすごく良かった。抜群だった(笑)。大宮に怯むことなく、ガンガン行って守備の強度も非常に高かった。対して藤枝戦の強度と大宮の強度は申し訳ないけど大宮戦の強度のほうが良いと。

ただ、藤枝戦は良くなかったけど、藤枝に出ていたメンバーにも積み上げがある。それを今週の練習でぶつけてやってくれと。それはめちゃくちゃ意識させました。でも多分今週ケガ人が出ると思っていた。強度を高くしてケガ人が出てもしょうがないというくらいやりました。でもケガ人はゼロ(笑)。

本当に凄かった。紅白ゲームもバチバチだったし、あえて初日からゲーム形式を長めにやったり。それが今日のミーティングとかでも「今週あれだけ強度の高い練習をしたんだから、今日は自信を持ってぶつけてくれたら問題ない」と。そしたら前半は素晴らしかったね。

□選手インタビュー
No,9大泉 和也
最近のリーグ戦であまり自分たちのサッカーができていない中で迎えたんですけど、とりあえず自分たちのサッカーができるように見直して今週1週間質の高いトレーニングができました。それが試合の入りから自分たちからアクションできたことは、良かったのかなと思います。

本当に主導権を握れない時間が最近は多い。ただ、得点シーンはしっかりボールを握りながらできている。リーグ序盤戦に比べるとボールを握る時間は減ってきている部分はあるので、そこに関してもっと改善して自分たちのサッカーをどれだけできるかということをやっていかなければいけないと思います。

No,14後藤 京介
――天皇杯の切符を手にしました。
けっこう厳しい試合に勝ったのは良いことだと思います。先週藤枝に逆転負けをしてからの、強度の高い練習ができて、みんなが一つの方向を向いてできたのは良いことだったと思います。

――立ち上がりから難しさもあったと思うが、ピッチでどんな修正を?
今日は自分の中でボールを触ることを意識しました。前回(藤枝戦)ダメだったところを、意識したうえで、わざとボールを握るとか前に付けるのをやめるというのを意識してやっていた。その中で立ち上がりは相手に呑まれた感じもあった。でもそこで失点しないで、しのげたというのは、良かった。

それで時間を追うごとにボールも触れるようになったし。でも今日はミスが多かった。監督にもハーフタイムに言われました。でも最近自分のところにマークが来るようになっているのは分かっている。もうちょっと取られないようにしないといけないのかなと。

No6小澤 光
――天皇杯の切符を手にしました。
トーナメント戦でリーグ戦とは違う。どんな形でも勝ちたいと個人的に思っていた。結果として優勝できました。内容は色々修正点がありますけど、勝って良かったと思います。

――ボールを握れない苦しい時間もありました。
相手が相模原だったから、こういう形になることは、みんなが分かっていたと思う。その中でも自分たちの時間をどう増やしていくかというのを、試合前に監督も言っていた。そこは焦らずにどこを取りに行くかも修正しながら試合できたと思う。

あとは早い時間に点を取れたのはチームとして良かったのかなと思います。2点も取れたので、一番良かったのかなと思います。そこで点を取れていなかったら、結果は大きく違っていたと思うので、あの点には助けられました。

No,11北脇 健慈
率直に勝てたことが何よりも嬉しいです。

――1点目を振り返ると。
西山(峻太)選手からすごい良いクロスが上がったので、自分は合わせるだけでした。でも本当に良いコースに飛んで良かったです。

――2点目も鋭い動き出しでした。
相手が3バックということもあったので、そこはしっかり狙っていこうと思っていた。だからイメージどおりの形が生まれたので良かったと思います。

――チームとしても泥臭く戦えた。
1点は取られてしまいました。自分も2点取りましたが、3点目、4点目をチームとしても決められなかったことは、まだ甘いところだと思うので、そこをもう少しこだわってやって、これをリーグ戦にしっかりつなげていきたいと思います。

Text by Shinki TAKAZAWA